「AI介護」で幸せは手に入るか?世界で進む介護テクノロジー

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実家の親の足腰が弱まったり、ふとした会話で「あれ?」と思うことが増えたりすると、ゆくゆくやって来る介護問題が気になり始めるようになります。ただ、実際に介護が始まると、「親にはいつまでも自宅で過ごしてほしい」「できる限りのことは自分の手でしてあげたい」といった思いが、かえって自分たちを追い詰めることにもなりかねません。

今、世界では「AI(人工知能)」や最新のテクノロジーを介護の現場に積極的に取り入れる動きが、想像以上のスピードで進んでいます。「機械に親の世話をさせるなんて冷たい」という声も日本ではまだ聞かれますが、介護にテクノロジーを取り入れることで家族みんなが幸せに暮らせる未来になるかもしれません。

そこでこの記事では、世界で進む介護テクノロジーと、新しい介護のかたちについて紹介します。

人間以外でも孤独を癒やせる未来

ハイテク国家として知られるイスラエルで生まれたAIロボットの「ElliQ(エリ・キュー)」をご存知でしょうか? 見た目こそシンプルな卓上ランプのような形をしていますが、非常に優秀で温かい自律型の新しい話し相手といった存在感を持っています。

テーブルの上に置いているだけで、高齢の親が朝起きてくれば「おはようございます。昨夜はよく眠れましたか?」と優しく話しかけ、お気に入りの音楽を流したり、最新のニュースを読み上げたりします。特に、さりげない気遣いができることがElliQの魅力です。「そろそろお水を飲みませんか?」「今日はいいお天気ですよ、少し窓を開けましょうか」といった高齢者の水分補給や換気にまつわるアナウンスをベストなタイミングで行ってくれます。

実際に利用している方の声を聞くと、家族に電話するのは忙しそうで気が引けるものの、ElliQとなら気兼ねなく一日中おしゃべりができる、といった感想が多くあります。離れて暮らす家族にとっても、AIが親の良き話し相手になることで、もしもの時の体調変化をスマートフォンに通知してくれるため、何物にも代えがたい安心感に繋がります。

AIロボットが普及すれば、人間でなくても話し相手となって高齢者の寂しい気持ちに寄り添う役割を果たす未来が待っています。

参照:高齢者の孤独感を解消するAIアシスタントロボットを開発 Intuition Robotics – TECHBLITZ

親のプライバシーや尊厳を守るロボット活用

家族介護の中で、親子ともにストレスを感じやすいのが排泄や入浴の介助です。いくら家族とはいえ、大変デリケートなやりとりになるものの、これまで、家族が手を貸すのが当たり前とされてきました。しかし、介護を受ける親の立場に立って想像してみるとどうでしょうか。

「自分の子供におむつを替えてもらうのは、情けなくて涙が出る」「できることなら見られたくない」など、排泄介助や入浴介助に抵抗感を覚える高齢者は少なくありません。一方で、排泄介助であれば他人である介護スタッフだったり、自動排泄処理装置や排泄センサーで見守る仕組みを利用した場合、機械相手なら恥ずかしさを感じづらく、楽な気持ちで介助を受けられるケースが多く見られます。

介護は家族が行うもの、というイメージが強い日本では、まだまだ気持ちの切り替えがスムーズに進まないかもしれませんが、テクノロジーを頼ることは手抜きではありません。親が一番大切にしたい自尊心を守り、親子が介護で辛い関係に陥らないためにも、大切なポイントです。 汚物の処理や24時間の見守りといった、肉体的・精神的な負担が大きい介助をテクノロジーに任せることで、例えば家族団らんといった人間にしかできない、一番大切にしたい時間を一緒に過ごすことができます。

参照:介護ロボットポータルサイト_​​日本医療研究開発機構

まとめ

AI介護を導入するといっても、いきなり高価なロボットを買う必要はありません。まずは日常の中にある、小さくて便利なものから始めてみませんか。

気軽に取り入れることができるAIロボットの活用例を3つ紹介します。

1. スマートスピーカーを「お守り」にする
Amazon社のEchoシリーズやGoogle社のGoogleHomeシリーズといったスマートスピーカーを使ってみましょう。
例えば、リマインダーで朝の服薬時間のアナウンスを事前に設定したり、親に「アレクサ、3分体操するからタイマーして」といった使い方を覚えてもらったりするだけで、生活リズムを守れます。

2. 見守りセンサーをそっと置く
電球のオンオフや給湯ポットの使用状況で安否確認できるサービスを利用すると、親のプライバシーを邪魔せずに見守りが可能です。

3. 情報収集を趣味にする
自治体で補助金が出る介護ロボットや、最新のIT見守りサービスについて、ケアマネジャーさんの訪問時に話をしてみるだけでも、選択肢が広がります。

介護が苦労の連続といったイメージは、テクノロジーの力で少しずつ変わり始めています。最新の介護ロボットや介護方法を積極的に取り入れることで、親も自分も笑顔でいられるスマートな未来を描いていきましょう。

参照:スマートスピーカーでできることを紹介!メーカーによってできることは異なる? – SpaceCore(スペースコア)

参照:高齢者見守り家電にはどんな種類がある?おすすめの製品をご紹介! – SwitchBot (スイッチボット)

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