
高齢者は心身機能が低下し、日常生活での思わぬケガや病気が起きやすい状態です。そのため、現役世代とは違った視点で「まさか」に備える保険に入ることが安心に繋がります。
そこでこの記事では、シニア傷害保険や認知症保険など、高齢者向け保険について、特徴や選び方のポイントを紹介しますので、最後までご一読ください。
高齢者に多い病気やケガとは

高齢者は加齢に伴う身体機能の低下や複数の疾患を抱えやすいことから、様々な病気やケガのリスクが高まります。特に注意すべき主な病気やケガには以下のようなものがあります。
・転倒・骨折
高齢者のケガで一番多い原因は転倒事故です。筋力低下や平衡感覚の衰えにより、つまずきやすくなって、歩行中のちょっとした段差や自転車でふらつくなどして転倒することがあります。
特に自宅内での転倒が多く、骨粗鬆症が進行している方の場合、寝たきりに繋がるような重い骨折になることも少なくありません。
・熱中症
体温調節機能の低下する高齢者は熱中症になりやすくなります。特に夏場の室内は、適切なエアコンの使用やこまめな水分補給を心がけるなど、熱中症に注意が必要です。
・認知症
65歳以上の約16%が認知症と推計されており、年齢とともに有病率が急激に上昇します。2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測されています。
参照:認知症と共に暮らせる社会をつくる|地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所
おすすめのシニア向け保険3選

ここからは高齢者に多い転倒事故や熱中症、認知症に備える保険を3つ紹介します。
1.自転車事故に備える保険
高齢者の方々にとって、運転免許も不要で気軽に使える自転車は便利な移動手段ですが、同時に走行時の事故のリスクも伴います。全国的に自転車保険の加入義務化やヘルメット着用の努力義務化が進んでいる中、シニア世代に特化した自転車保険の加入がおすすめです。
例えば、シニア向け自転車傷害保険の中には、自転車事故だけでなく日常生活中のケガまでカバーする幅広い補償内容の商品も誕生しています。1,000円以下の手頃な月額保険料で、億単位の個人賠償責任補償が付いているケースもあります。さらに、自転車のトラブル時には50kmまでの無料搬送や自宅への出張修理サービスなど自転車向けのロードサービスを提供する保険商品も人気です。
加入年齢は70代、80代の高齢者のニーズに合わせて設計されているのも特徴的です。ご家族の方が契約者となることも可能なので、子や孫が高齢の親や祖父母のために加入することもできます。
2.熱中症リスクに備える保険
近年、猛暑日の増加に伴い熱中症のリスクが高まる中、特に高齢者は体温調節機能が低下しているため、発症に備えた熱中症保険が注目されています。
熱中症保険の中には、熱中症で点滴治療を受けた場合や定められた日数以上入院した場合に保険金が支払われます。月額数百円から加入でき、1日単位で加入できるプランもあるため、必要な期間だけ柔軟に加入できるのがメリットです。
また、家族全員分をまとめて申し込むこともできるので、遠方に住む高齢の親のために子どもが加入するなど、家族で熱中症対策をすることができます。QRコード決済アプリやWEBから簡単に加入・請求ができる点も、高齢者にとって使いやすいポイントといえるでしょう。
3.認知症に備える保険
高齢化社会の進展に伴い、認知症の患者数も増加しています。2025年には65歳以上の約5人に1人が認知症になると予測されており、経済的な備えが重要です。
各保険会社が販売する認知症保険を見ると、軽度認知障害(MCI)や認知症と診断された際に一時金を受け取れる保険が登場しています。軽度認知障害の段階から保障が受けられるものもあり、早期発見・早期治療のための資金の確保が可能です。
加入年齢は40歳から70歳までのように、将来の認知症リスクが気になる中高年層が加入できます。また、告知項目も少なく、健康状態に不安のある方でも加入しやすいのが特徴です。
被保険者自身が請求できない場合に備えて、あらかじめ指定した代理人が請求できる制度も整っており、認知症の進行に伴う様々な状況を想定した設計になっているといえるでしょう。
高齢者向け保険選びのポイントと家族ができるサポート

高齢者向け保険を選ぶ際は、補償内容、保険料、保障期間のバランスを慎重に検討し、加入時の健康状態に配慮した商品を選びましょう。家族として、保険選びがスムーズになるように、保険加入の相談や手続きをサポートし、緊急時の連絡体制を整えることが大切です。
また、定期的に保険内容を見直し、加齢と共に変化する健康状態や高齢者本人のニーズに合わせた調整もしていきましょう。
まとめ

高齢者向けの保険について、日常生活で起こりやすい事故や病気に焦点を当てて商品例を紹介しました。特に、転倒・骨折、熱中症、認知症などのリスクに備える保険として、自転車事故保険、熱中症保険、認知症保険の3種類がおすすめです。
特に、自転車事故保険や認知症保険は高齢者特有のニーズに合わせて設計されており、手頃な保険料で幅広い補償となっています。保険選びの際は、補償内容や保険料、加入時の健康状態など様々なリスクを考慮し、家族のサポートを受けながら慎重に検討しましょう。