
「健診」と「検診」、実は全然違うって知っていましたか? 介護では健康管理のために自治体や医療機関で受ける健診または検診が重要な役割を持っています。
「健診」と「検診」、実は目的や検査内容が大きく異なりますので、 介護予防にも役立つ「ケンシン」を正しく理解し、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
この記事では、介護をする際にも知っておきたい「健診」と「検診」の違いをわかりやすく紹介します。
1. 健診と検診の違い

同じ「ケンシン」と呼ばれていますが、「健診」と「検診」とでは具体的に何が違うのか紹介します。
● 健診とは
健康状態を総合的に把握し、病気の早期発見や生活習慣病の予防、健康増進を目的とした検査の総称です。病気の早期発見だけでなく、生活習慣病の予防や健康増進にも役立ちます。また、健康な生活習慣を維持するためにも重要なものです。
定期的に健診を受けることで、病気の早期発見は、治療の成功率を高め、医療費の削減にもつながります。
● 検診とは
がん検診など、特定の疾患を早期発見することを目的とした検査です。早期発見・早期治療につなげ、死亡率を下げる目的があります。
特に、がんや生活習慣病などの慢性疾患では、検診を通じた早期発見が重要です。早期発見・早期治療によって患者の負担を軽減し、社会全体の医療費削減にも役立ちます。
参照:健診と検診の違いについて解説します|コラム|セコム健康クラブ KENKO|セコム医療システム株式会社
2. 具体的な検査内容や受け方の違い
健診と検診では、具体的な検査内容などに下記のような違いがあります。

▶︎ 健診
検査内容は、問診、身体検査、尿検査、血液検査などが中心です。年齢や性別によって、検査内容が異なる場合があります。最近では、X線検査や内視鏡検査など、オプションでより詳しい検査を受けられる場合もあります。
受診頻度や受け方では、自治体や職場によって異なりますが、年に1回程度が一般的です。ただし、年齢や健康状態によっては、年に数回、受診する場合もあります。一方で、がん検診のように、一定年齢以上になると、5歳刻みでの受診を推奨される検診もあります。
実施先によって事前に予約が必要ですが、予約なしで受診できる場合も多いです。
▶︎ 検診
検査内容は疾患によって異なります。一例として、がん検診では、CT検査、胃カメラ検査、マンモグラフィーなど画像検査や腫瘍マーカー検査などが含まれる場合が大半です。また、生活習慣病検診では、血圧測定、血糖値測定、脂質検査などもカバーしています。
受診頻度は、疾患や年齢、性別によって異なりますが、数年に1回程度が多いです。生活習慣病検診は、40歳以上を対象として年に1回受診することを推奨されています。基本的に、医療機関で個別に予約する必要があります。
このように、自治体や職場で実施される健診は、気軽に受けられますが、検査内容は限られています。一方で、医療機関で個別に受ける検診の場合、特定の疾患の早期発見に特化している点が特徴です。
なお、人間ドックは健診に含まれますが、より詳細な検査で、病気の早期発見や生活習慣病の予防に役立ちます。ただし、全額自己負担のため、まとまった費用がかかるのがネックです。
3. 介護予防と「ケンシン」

介護予防には、定期的な健康状態の把握と適切な対策が欠かせません。 そのためには、日常的な「ケンシン」が強い味方になります。
定期的に「ケンシン」を受けることで、健康状態を把握し、早期発見・早期治療につなげることができます。生活習慣の改善を促し、健康維持をサポートできるため、介護への不安を軽減し、心の余裕をもたらします。
具体的には、気軽に受けられる自治体や職場健診が一番手軽です。より詳しく健康状態を知りたい方は、自費診療となりますが、 詳細な検査で早期発見が可能な人間ドックがおすすめです。また、持病がある方はかかりつけ医と相談しながら、特定疾患検診を受けましょう。
近年、国や自治体を挙げて、高齢者の保険事業と介護予防を一体化し、生活習慣病や介護の重症化予防に繋げる取り組みが続けられています。例えば、2020年4月からスタートした、健康と要介護の間のグレーゾーンにならないためのフレイル予防健診などは、その代表例と言えるでしょう。
参照:『高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施について』|厚生労働省
参照:『介護予防におけるフレイル健診の意義』|原田和昌|「総合検診 2023年50巻1号」
参照:「フレイル健診」が4月からスタート 75歳以上の後期高齢者のフレイル対策を強化 保健指導と介護予防を一体化 _ ニュース _ 保健指導リソースガイド
4. まとめ

「ケンシン」は、介護予防の第一歩です。 「健診」と「検診」の違いを踏まえた上で、自分やご家族に合った「ケンシン」を賢く活用し、健康管理と介護予防に繋げましょう。
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