
高齢化社会である昨今、シニアのみなさまが安心して暮らせる住まいも多様化しています。実際、有料老人ホームを探し始めると、色々な種類がある事に気づきます。
ご自身やご家族の条件に合った施設を探そうと、それぞれの特徴を調べるうちに、介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、これほど施設の種類があるのかと驚かれ、頭を抱えてしまうかもしれません。
その中でも、住宅型有料老人ホームは、他の施設との違いが一番分かりにくい施設と言えます。
目次
住宅型有料老人ホーム仕組みを正しく説明するのは難しい

住宅型有料老人ホームは、今までの介護保険サービスの歴史と経緯の結果、「有料老人ホーム」というカテゴリに含まれる3施設(介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・健康型有料老人ホーム)のうちの1つとされています。
住宅型有料老人ホームの説明は、様々なサイトに記載されています。
こんなことを言ってしまうと怒られるかもしれませんが、いわゆる表向きの説明です。そしてこの説明を目にした方の中には、この施設への入居をためらってしまう人もいるかもしれません。
しかし、この住宅型有料老人ホームには隠れた本音(情報)があります。そしてそれを正しく理解するのは難しく、きちんと説明できる人はそれほど多くはないと思います。
ですので、ご自身やご家族に合った老人ホームを探すために必要な情報として、住宅型老人ホームを利用すると、どんなメリットやデメリットがあるのか、その内容をお伝えしたいと思います。
まずは住宅型有料老人ホームの表向きの説明から・・・

住宅型有料老人ホームを利用する側として、1番の「デメリット」になる仕組みからお伝えすることにしましょう。
それは利用料金が安定しないところにあります。
もう少し具体的に言うと、介護保険の自己負担分が高額になる可能性があるということです。
施設を検討される方の中には「このまま自宅に居れば、在宅の介護費用がどんどん膨らんでしまう。それならば施設を検討したほうがいいのでは・・・」と考えて施設を探される方も多いはずです。それなのに施設に入った後も、同じ様に膨らむ介護費用の心配をするのは本末転倒ですよね。
住宅型有料老人ホームでは、このケースと同じことが起こりえます。

住宅型有料老人ホームは、介護保険の自己負担分が積み上げ方式になり、介護サービスを利用した分だけ負担が大きくなります。
そうなると、排泄介助がたくさん必要だったり、食事の介助が必要だったりした場合、料金が跳ね上がる可能性があるのです。
ですので、住宅型有料老人ホームに向いている方というのは、介護保険の自己負担分が跳ね上がるリスクが少ない「介護があまり必要無い方」です。
と、一般的には言われています。
ところが、低価格の施設を調べていて、東京以外のエリアを検索すると住宅型有料老人ホームばかりが目に付きます。
なぜでしょうか?
いくら低価格でも、元気な人しか入れないのでは意味がないと思いませんか?
しかし、ここからが大切なところです。
隠れた本音その1:住宅型有料老人ホームの自助努力

住宅型有料老人ホームには、介護保険の自己負担分が高額にならないように工夫している施設もあるのです。
例えば、要介護5の方で、介護保険自己負担分の限度額が36,000円だと仮定します。この限度額を超える介護サービスは10割負担となり、結果、介護保険の自己負担分が10万円を超えるケースもあります。
せっかく低価格の施設を選んだのに、介護保険自己負担分がこのように高額になってしまったら元も子もないですね。
そこで施設側は「高額にならない為の工夫」として、最後まで低価格でご利用いただけるような料金形態をとっている場合があるのです。

施設側の自助努力(サービス)で介護保険の限度額以上は徴収しないようにしている施設や、あらかじめパック料金として1万円程度をいただく代わりに「介護保険で賄いきれなかった分は請求しません」という料金設定の施設もあります。
このように、1番のデメリットである青天井になるかもしれない介護保険自己負担額が、一定の費用で賄えるのであれば、住宅型有料老人ホームの利用価値は高いのではないでしょうか。
特に低価格の施設を探している場合は、住宅型の施設でも問題ないと言うことになります。
これはあくまでも費用のお話です。
隠れた本音その2:実は住宅型有料老人ホームの入居者は介護度が高い

先ほど、住宅型有料老人ホームは、介護保険の自己負担分が跳ね上がるリスクが少ない「介護があまり必要無い方向けの施設」と書きました。
しかし実際は、東京都以外のエリアの住宅型有料老人ホームを、特養の待機施設や特養の代替施設と考えて利用する方が多く、介護保険自己負担分の限度額以上の料金が請求されない施設に、たくさんの方が入居されています。
つまり実態としては、介護付き有料老人ホームよりも住宅型有料老人ホームのほうが、介護度の高い方が入居されているのです。

高齢者向け住まいにおける運営実態の多様化に関する実態調査研究 報告書より (PwC コンサルティング合同会社 )
このグラフを見ていただいても、要介護3、4、5それぞれの割合は、介護付き有料老人ホームよりも、住宅型有料老人ホームのほうが高くなっていることがわかります。
ただ、介護保険の自己負担分を限度額以上請求しない代わりに、介助の量や質に不安のある住宅型有料老人ホームがあるのも事実です。
住宅型有料老人ホームの人員配置は、ほとんどの場合、介護付き有料老人ホームより少ないので、きちんと対応できる施設なのか見極めるためにも、見学は必ず行った方が良いでしょう。
まとめ

今回ご説明したような、住宅型有料老人ホームの『隠れたメリット』を個人で確認するのは難しく、介助負担があまりにも大きい場合は介護付き有料老人ホームで検討されたほうが安心かもしれません。
しかし、首都圏での介護付き有料老人ホームへの入居は、総額20万円以上の費用がかかります。
一方、住宅型有料老人ホームならば総額15万円程度の施設もあります。
ただし、入居後に高額な請求をされないためにリサーチが必要です。そして、要介護5の方でもケアが粗末にならない良心的な施設かどうかも見極めなくてはなりません。
低価格の施設をお探しの場合、住宅型有料老人ホームを選ぶポイントは、自助努力を行っている良心的な施設を選ぶことがとても重要となってきます。
宣伝になってしまいますが、住宅型有料老人ホームの情報を多く持つ弊社であればきっとお力になれると思います。
どうぞお気軽にご相談ください。