
節約と貯蓄は一直線上にあります。
節約することで確実に貯蓄は増えますが、貯蓄目的で節約するなら「何のために、いくらの金額を、いつまでに貯める」かを、明確にすることが大事です。
「無駄遣いが多いから節約しなくては」といった漠然とした考えだけでは、上手な節約はできません。この記事では無理なく楽しくできる節約のヒントをお伝えします。
家計簿をつけていますか?

無駄遣いをしているわけでもないのに、いつも赤字になって貯金を切り崩してやりくりしている人は、家計簿をつけることによって無駄な支出を見つけることができ、家計の見直しができます。
家計簿のつけ方や方法に決まりはありません。ノートに手書きで収支を記入したり、アプリやエクセルで管理したりするなど、お気に入りの方法で家計簿をつけてみましょう。
家計簿をつける目的は、お金の流れを把握することにあります。
家計簿をつける際には、食費、日用品費、住居費、水道光熱費、被服費、教育費、交通費、娯楽費、通信費、医療費、車両費、保険料、交際費、特別費、お小遣いなどの項目ごとに支出を明確にしておくと、何にお金を使い過ぎているかが分かってきます。
後は、その突出した部分を節約すればよいわけです。
年代によって違う節約方法
ライフプランとは人生の設計図のようなものですが、各年代によって必要なお金は違い、節約する項目も違ってきます。

まとまったお金が必要な時期は、30代前後なら結婚資金や出産費用、40代前後なら子どもの教育資金や住宅取得資金などです。子供が巣立った後は、老後に向けての貯蓄目的の節約となります。
すでに仕事をリタイアした後は、年金が主な収入源となるため、十分な蓄えがないと不安になりがちですが、むやみやたらに節約しても、心豊かなシニアライフを送ることができません。
今現在の自分がライフプラン上のどの立ち位置にいるかを認識することで、どの項目を節約すればよいかが見えてきます
リタイア後の節約についての10の提案

①生命保険が今の自分に合っているかどうかを見直そう
生命保険や医療保険を若い時に加入したままで、高い保険料を払い続けているようなら、補償内容を今一度確認してみましょう。
年金世代の多くは、子どもも独立し住宅ローンも完済しており、補償内容が見合わなくなっているはずです。現在の自分に合ったプランに変更することも検討しましょう。
②車は本当に必要か?

ほとんど乗らない車を維持するのは、無駄なお金を使っているのと同じです
生活環境によっては車が必需品の場合もありますが、いつでもタクシーを呼べる状況なら免許証を返納して車を手放すという方法も検討しましょう。
③交際費を見直す

仕事を離れてからもお中元やお歳暮をなんとなく贈り続けているなら、止めるのも一つの方法です。相手方も、いつまで続ければいいものかと迷っている場合もあるのではないでしょうか。
また、年金世代の一番身近な交際費の一つが孫に対するプレゼント費用ですが、無理をせず、できる範囲でプレゼントをしてあげたいのは誰しも同じです。
デパート積み立てなどでは、例えば毎月1万円ずつ積み立てると1年間で13万円になります。子供や孫たちのプレゼント用に積み立ておくと、どこから捻出しょうかと悩まずにすみます。
④電気代を減らす工夫をする
テレビの画面の明るさを省エネモードにしたり、エアコンは扇風機と併用したりしましょう。
⑤雨水タンクを設置する
雨水タンクや大きめのバケツに溜めた水を家庭菜園の水やりや、外もの掃除に使いましょう。
⑥家庭菜園のススメ

庭やベランダでのプランター菜園やキッチンでの水耕栽培は、育てる楽しみと食費の節約が同時にできます。植物を育てることは命を育てることにつながります。
毎朝味噌汁に入れるネギ1本でも、新鮮な野菜の持つエネルギーを頂くことで、体が喜びます。
カイワレ大根はスプラウトの代表選手ですが、ブロッコリーやレッドキャベツやマスタード、豆苗、もやしなどもキッチンで水耕栽培ができます。
スプラウト栽培の方法は以下の通りです。

(1)準備するものは、好みのスプラウトのタネ、野菜や果物が入っていたパック、水分を保持しやすいスポンジやコットンなどです。
(2)タネは、一晩水につけておきます。
(3)容器の底に、水をたっぷり含ませたスポンジやコットンなどを敷いて、好みのスプラウトの種を重ならないように蒔き、アルミホイルをかけるか、暗いところに置いて、発芽するまで霧吹きで水を与えます。
アルミホイルなどで覆う場合は通気性が悪くなるので、時々は外して風を入れるようにしましょう。
(4)根が張って芽が出てきたら、キッチンの直射日光が当たらない場所に置き、直接容器に水を注ぎます。約1~2週間で収穫できます。
その間に野菜用の液肥を薄めて、根元にやるとよく育ちます。
⑦食品ロスを無くす

食品ロスとはフードロスとも言い、まだ食べられるのに廃棄される食品のことです
家庭での食品ロスは、食べ残しや消費期限や賞味期限切れが多いようです。
よく問題になるのが消費期限と賞味期限の違いですが、主に消費期限が表示されているものは、調理パンやお弁当、さしみ、サラダなど傷みやすい加工品が多く、消費期限が過ぎてしまった食品は食べない方が安全です。
一方、賞味期限とは、例えばレトルト食品やインスタント食品に記載されている期限で、賞味期限を過ぎていても、すぐに食べられなくなるというわけではありません。
ひとり世帯やふたり世帯だと、後で食べようと残しておいて結局食べずに捨ててしまうこともあるのではないでしょうか?
消費期限が表示されているお総菜などは買いすぎないことと、賞味期限が表示されているレトルト食品などで、防災食も兼ねている場合は、古いものから食べるローリング方式を心掛けると捨てることがなくなります。
⑧缶詰、乾燥野菜、乾物品、ドライフルーツなどを献立にとり入れる

天候不順で野菜や果物が高騰した場合は缶詰や乾燥野菜、ドライフルーツなどを材料とした献立を取り入れましょう。
例えば、青魚の缶詰は獲れたてのものがすぐに加工されるため、生魚と変わらない栄養成分が含まれています。記憶力がアップするといわれるDHAや血液をサラサラにするEPAが豊富に含まれているのでシニア世代が積極的に摂りたい食品です。
⑨乾燥野菜や乾物品を常備して週に1~2回「ノー買い物デー」を設ける

高野豆腐や切り干し大根、ヒジキやワカメなどを使いこなすと、食費の削減が行えます。
例えば、高野豆腐はたんぱく質を構成するアミノ酸が多く含まれるとともにカルシウムや鉄分も含まれています。たんぱく質が不足しやすいシニアにも最適な食品です。
その他にもマグネシウムやカロテン、鉄などを含む乾燥ワカメやヒジキ、海苔、免疫力アップに効果がある乾燥キクラゲなども常備しておきたい食材です。
⑩ドライフルーツを利用する

新鮮な野菜が高値の時は、好みの紅茶のティーパックにプルーンやマンゴウ、アップル、アンズなどドライフルーツを入れて熱湯を注ぎ、1分ほど蒸らすと美味しいフレーバーティ―がいただけます。
まとめ
節約は楽しみながら行いましょう。
シニア世代もデジタル派の人はアプリなどを使って家計簿をつけ、ポイントやクーポンを上手に使って節約するのも頭の体操になります。デジタル化が進む中、理想的ともいえますが、アナログ派も悪くはないです。
「水は天からもらい水」「野菜が育つのもお天道様のおかげ」と、自然に感謝しながらマイペースで節約するのも素敵です。