シンプルライフで得られる本当の豊かさとは

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シンプルライフ(simplelife)とは、単純な暮らしのことです。

人生100年時代と言われますが、健康年齢は世の中を見渡しても80歳ぐらいまでではないでしょうか。

50歳くらいまでは上り坂で毎日が足し算の暮しですが、50歳を過ぎるあたりからは、引き算の暮し方を考えましょう。


体力も気力も個人差があり、何歳からがその人の人生の折り返し地点かは、まさしく「神のみぞ知る」ですが、今までできていたことが出来なくなったり、面倒くさくなったりしたら、そろそろ引算の時期かもしれません。

後半の人生は、重い荷物を少しずつ下ろし、シンプルな暮らしにシフトしましょう。

シンプルライフのメリットとは?

時間の無駄がなくなる

物にあふれ、整理整頓ができていない状態の家の中で暮らしていると、毎日探し物ばかりしていなければなりません。持物を厳選して決まったところに置いておくと、アタフタせずに作業にとりかかれます。

洋服のコーディネートに悩まなくなる

数多くの洋服を所有しているとコーディネートに悩みますが、少ない洋服でもお気に入りのコーデをいくつか決めてハンガーに吊るしておくと、急に出かける場合もすぐに支度ができます。

靴もバッグも揃えておくと、「出かける前に疲れた」などといった情けない状況にならずにすみます。

節約ができる

シンプルに暮らすことを目標にすると、余計なものを買わなくなり、必然的に少ない予算で暮らすことができます。

生活費が足らないとか、貯金ができないと悩まなくてすみます。

ストレスがなくなる

「片付けなければ」と絶えず思っている状態は、心身の大きなストレスになっています。本当に必要なものだけを残して、あってもなくてもよいものは処分すると、気持ちがスッキリし、「片付けなければ」と言った強迫観念から解放されます。

シンプルライフをさまたげるもの

快適なシンプルライフを送るためには、シンプルライフをさまたげるものを排除していく必要があります。一気に全てを片付けようとすると、大事なものまで捨ててしまう可能性があります。1日1ヵ所30分以内などと自分なりのルールを決めて、断捨離と整理整頓をくり返して行いましょう。シンプルライフをさまたげるものは、意外にも便利と思って買ったグッズや、収納用のボックスなどです。

100円均一商品で買った便利グッズは使っていますか?

つい安いからと買ってしまいがちなのが、100円ショップで販売されているキッチングッズです。もし使っていないものがあるならなら、それは必要がないからです。思い切って処分しましょう。

付録目当てに買った雑誌の付録は正解でしたか?

実物を確認できない場合、購入したものの使い勝手が悪かったり、色やデザインが今一だったりすることもあります。その品物は、おそらく使うことがないでしょう。

ホテルのアメニティグッズや試供品の化粧品などを集めていませんか?

アメニティグッズに限らず、何かの景品や趣味に合わない頂き物なども、捨てるのはもったいないと思いがちですが、シンプルライフには不必要です。

不要なものを収納ケースにしまい込んでいませんか?

人の心理として、使わないものも収納ケースにしまえば、片づいた気になるものです。しかし、ゴミをため込んでいるのと何ら変わりはありません。

本当の豊かさとはなんだろう?

日本には、「座して半畳、寝て一畳」という言葉がありますが、さらにそのあとには「天下取っても二合半」と続きます。人の生活に必要な面積は、たった一畳で、食べる量もせいぜい一日に二合半ぐらいのもので、地位や名声があろうとなかろうと結局大差はないと、説いています。
本当の豊かさは、シンプルライフを実践することで見えてきます。生活用品や食べ物のひとつひとつを吟味し、自分にとって必要なものを味方につけることで心も体も安定します。

「本当の豊かさとは何か」は、人によって考え方が違うため答えは出せませんが、広い大きな家に立派な調度品が揃っていても、掃除や片づけに追われる日々では、豊かな老後と言えるかどうかは疑問です。

ミニマリストとシンプリストの違い

ミニマリストとは、自分が持ち運べる範囲の荷物で暮らすのが基本で、究極のミニマリストは、布団さえ持たず寝袋で睡眠をとる人もいます。
一方、シンプリストとは、自分にとって大切なものを厳選して所有し、あってもなくてもよいものは処分します。シンプリストはミニマリストほどストイックではありません。

ものの取捨選択ができる人になろう!

ものを持つことがステイタスであった時代を生きてきた世代は、なかなか持物の取捨選択ができません。先延ばしにするにしたがって、ストレスが蓄積します。「片づけなくては」といった意識が常にあると、脳にストレスホルモンが分泌されて、不安やイライラがうっ積することが証明されています。実際に不用品を処分し、シンプルライフを始めたところ、うつ病が改善された例もあるようです。

捨てるべきか残すべきか悩んだなら、とりあえず嫌な思い出があるような物品は捨てましょう。例えば、このコートを着て雪道で転んだとか、スカートのファスナーが開いたままで駅で知らない人に注意されたなど、つい思い出してしまうのは、負の物品と言えるので、迷わず捨てるべきです。急なお客様のために間に合わせでそろえたお皿なども必要ないでしょう。

シンプルライフの実行は人生における大きな選択の第一歩

これから歳を重ねるたびに、人生における大きな選択をせざるをえなくなります。
例えば、パートナーとの死別や子供世代との関わり、同居問題、老人ホームなどへの入居、遺産問題なども身に降りかかってきます。その都度決断を迫られるわけですが、淡々とスマートに解決していくには、身の回りを極力シンプルにしておく必要があります。

まとめ

自分の老いを認めるのは辛いことですが、シンプルな暮らし方をするために、現在の持ち物を減らしていく作業は、早いうちにやっておきましょう。
歳を重ねるごとに、踏み台や脚立を使った収納は危険になります。高いところの収納庫は空っぽにしておきましょう。また、床面にものを直置きするとつまずきの原因になるので、何も置かないようにしましょう。

暮しをシンプルにすることによって、重い荷物を降ろしていくような感覚になり、やり終えると爽やかさがともないます。