60代から始めるシンプルライフ

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断捨離という言葉を初めて耳にしたのは10年以上も前になります。

断とはいらないものが入って来るのを断つこと、捨とは不必要なものを捨てること、離とは不快なものから離れることです。

10年経った今では、身の回りを整理整頓することを「断捨離をする」と言っていますが、あってもなくてもよいものを処分することで、ものや人に執着する気持ちが薄らぎます。

60代は、断捨離をおこないシンプルライフを始めるちょうどよい時期と言えます。
この記事では、60代からをより素敵に生きるために、シンプルな暮らし方についてのヒントをお届けします。

生活スタイルを見直そう

まだ十分若い60歳くらいから、向老期の生活スタイルに徐々に切り替えていくと、70代や80代になっても、スムーズに日々の生活を送れるようになるでしょう。

現在の持ち物を選択し、必要なものを厳選することでセンスは磨かれます。

余白を作る

キッチンや押し入れの天袋にぎっしり詰め込んだ生活小物や、床下収納庫にストックした乾物類や作り置きの食品は、背伸びをしたり、かがんだりと無理な姿勢をして取り出すことになります。

年齢とともにバランス感覚が鈍るので、大ケガにつながることも考えられます。

60歳を過ぎるころから、手の届くところだけに収納する習慣に変えていくことで、家の中での事故を防ぐことができます。

収納庫に余白があると、何かを詰め込みたくなりますが、手の届く範囲だけにものを置くと、ものの出し入れをするストレスがなくなり、快適な生活ができます。

掃除道具の見直し

掃除道具は進化しています。洗剤なしで汚れを落とすことができるマイクロファイバーのクロスを使えば、家具など拭き掃除を簡単にすますことができます。

また、床や畳の拭き掃除は腰に負担をかけますが、モップのヘッドにドライシートやウエットシートをつけておこなうと、立ったまま拭き掃除をすませることができます。

その他にも、従来のコード式の掃除機は移動するのが大変ですが、ハンディタイプのコードレス掃除機にすると、こまめに掃除ができます。

キッチンや洗面所、トイレなどの水回りが清潔だと家じゅうが明るい印象になります。
洗剤も進化しており、腰をかがめてゴシゴシこすらなくても、シンクなどに液をふりかけ、ペーパーでパックするだけで汚れを落とすことができるものが多く出回っています。

掃除道具や洗剤は使い勝手の良いものに替え、それぞれ使う場所に適したものを一式まとめて置き、気が付いた時にその都度ササッと掃除をする習慣をつけておくと、いつもきれいに保つことができます。

住まいが恐怖のゴミ屋敷になる前に

必要な時に必要なものが見つからず、つい新しいものを買ってしまうことが多くなりがちなのが、シニア世代の特長ともいえるようです。

それに加えて「もったいない意識」が強い人の場合は、何十年も前の引き出物やサイズが合わなくなった洋服なども大事にしているので、どうしても不用品の山の中で暮らすことになってしまいます。

考えてみれば、人生で一番若い日は今日なので、この記事を目にしたことをきっかけに、住まいが恐怖のゴミ屋敷になる前に、シンプルライフへの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?

健康と身辺の安全のためにシンプルライフを!

持ち物が多いと、ほこりや害虫が発生する率も高くなり、アレルギー性鼻炎や皮膚炎などの原因になります。

また、物が多いと家の中でつまずいたり転んだりする確率が高くなり、骨折などが原因で寝たきりになることもあります。

地震や火災時のことを考えると、多すぎる荷物が「逃げ遅れ」の原因になり、命を落とすことにもなりかねません。

「まだ使えるし、いつか使うことがあるかもしれない。高価なものだったから、処分すると二度と買えないかも」などと迷っても、いざ処分すると意外と気持ちもスッキリします。

特にひとりでは動かせないような大型家具のサイドボードやソファなどは、処分すると一気に家中の風通しがよくなります。

親世代がゴミ屋敷化しだしたら認知症かも?

高齢化社会を生きる私たちは、自分たちの暮らし方を考えると同時に、60代で80代や90代の親がいる場合は、親の身辺を気づかわなければなりません。

仕事の都合や様々な事情で長らく実家に帰れず、久々に帰省すると足の踏み場もないようなゴミ屋敷になっていたという事例もあります。

認知症が進むと、ゴミ出しの日を忘れたり、分別方法が分からなくなったり、ついゴミをため込んでしまうようです。

こうなってしまうと、まわりの人のサポートが必要となってきます。自分の家や親の家がゴミ屋敷化しないためにも、少しでも早く不用品の処分をおすすめします。

人づきあいのシンプル化について

若いうちは、多くの人と関わりを持つことも大事ですが、60歳を過ぎたころから、つき合いが負担に思われることもでてきます。

お中元やお歳暮、冠婚葬祭費などを見直し、負担になるようなら止めるようにしましょう。

とは言え、孫にはいい顔がしたいのがシニア世代の弱点です。子どもや孫にお金をかけておくと、老後の面倒を見てもらえるのではないかと思ってしまうこともあるわけですが、子どもや孫世代はそこまでは考えていないものです。

お金持ちの人はともかく、年金だけで今後やりくりをせざるを得ないなら、限られたお金で家のメンテナンスやバリアフリー化の対応、電化製品の買い替えなどをしていくことになります。

お誕生日、クリスマス、お年玉、進級祝いなど、年間に何度も金品をやり取りしていたのでは、孫の人数が多いと楽しみよりも苦しみになってしまいます。

金品のやり取りはお誕生日とお年玉だけ、金額は5千円以内などと決めて、なるべくシンプルにしておくほうが賢明です。

まとめ

60歳を過ぎると徐々に自分の体調に不安が出てきますが、同時にパートナーがいる場合はそちらの健康も気になります。さらに高齢の親がいると、介護問題も深刻化します。

しかし、60代はまだまだ気力も体力も決断力もあり、断捨離をおこないシンプルライフを始めるちょうどよい時期と言えます。

いつか使うかもしれないと、収納スペースに目いっぱい詰め込んでいても、実際に使いたいときに見当たらなければ、残しておく意味がありません。

後半の人生を爽やかに生きていくために、身の回りのものや、惰性でお付き合いしてきた人間関係を一度見直してみてはいかがでしょうか。