親の介護をプロジェクト管理してみませんか? ――感情の波に飲まれない「合理的ケア・マネジメント」

介護について  | 

「実家の父が突然入院した」

「久しぶりに実家に帰ったら、母の物忘れが気になった」

介護は予期せぬタイミングで訪れます。昨日まで普通に話していた親が、急に弱々しく見えることも珍しくありません。身体面や経済面はもちろん、精神面でも親の介護は重く肩にのしかかる上に、介護を先行きの見えない、予測不能なトラブルと捉えて、心が疲れ果ててしまうケースが多く見られます。

ただし、私たちが仕事で向き合うイメージで介護を捉えるアプローチをしてみたらどうでしょうか?やりがいがあるものの、難易度の高いプロジェクトだと考えれば、モチベーションや取り組み方も変わってくるかもしれません。

そこでこの記事では、シリコンバレーのリーダーたちが複雑な問題を解決するように、介護をスマートにマネジメントするヒントを紹介します。

介護をプロジェクトとして成功させる3つの重要ステップ

介護に正解はありません。親子がやがて迎える難題に向き合うには、場当たり的な対応ではなく、全体を把握した仕組みづくりが不可欠です。

具体的には、ビジネスの世界で使われるマネジメントの手法を以下の3つのステップにまとめることがポイントです。

チームビルディングと呼ばれる上記の流れに沿って一つずつ整えていくことで、感情の波に飲まれがちな家族の介護に、冷静な判断と安心感が手に入ります。それでは、最初のアクションからひとつずつ見ていきましょう。

参照:『チームビルディング』とは?その目的やメリット、5つのプロセスや実践するポイントなどについて解説|Panasonic

ステップ1:みんなが納得する「ゴール(目標)」を決める

どんなプロジェクトも、まずはどこを目指すか、目標設定から始まります。 例えば、介護というプロジェクトの最終目標を次のように設定してみましょう。

私たちの介護の目標
「親が住み慣れた家で、安全に、本人らしく過ごすこと。そして、家族全員が自分の生活を楽しむ、笑顔で暮らすこと」

この目標を達成するために、具体的なチェックポイントを複数作成します。

このように言葉や数字にするだけで、正体のわからなかった不安だったもやもやが、解決すべき課題へと整理され、心がふっと軽くなるのを感じるはずです。

ステップ2:関係者をチームとして巻き込み、情報を共有する

介護のトラブルで最も多いのが、兄弟や親族間での「言った・言わない」の行き違いや、誰か一人に負担が集中してしまう状況です。日々の記録や情報伝達が重要になるため、便利なデジタルツールを積極的に使ってみましょう。

例えば、LINEのノート機能や共有アプリ、ビジネスでよく使われるNotionなどを使って、以下のような情報を家族全員で共有します。

介護に関わる家族みんなに情報をオープンにすることで、離れて暮らす家族も自分事として考えられるようになります。感情でぶつかるのではなく、客観的なデータに基づいて話し合うだけで、家族のチームワークは一気に向上します。

参照:親の介護の備え方・注意点 |朝日生命

ステップ3:勇気を出して次のステージを話し合っておく

プロジェクト管理で大切なのが、リスク管理です。介護におけるリスク管理とは、在宅介護での生活が限界を迎えた時の判断基準を、あらかじめ決めておくことにあります。

最初は「親を施設に入れるなんて……」と話し合うだけで罪悪感を持つかもしれませんが、限界ギリギリまで頑張って共倒れになるのは、絶対に避けなければなりません。

親御さんが元気なうちに、あるいは兄弟間で冷静に、施設介護に切り替えるべきラインを話し合っておきましょう。親を遠ざけるようでなかなか話題にしづらい内容ではありますが、家族全員の人生を守り抜くために、とても大切なポイントです。

参照:老人ホーム「入ってよかった?」体験者の声をご紹介|サービス紹介|よくわかる介護の話|ALSOK介護株式会社

まとめ:親のマネージャーとして新しい親孝行を

子どもにとって、介護のすべてを自分の手で行わなければならないといった思い込みは捨てましょう。 最新のテクノロジーを知り、予算を賢く管理し、様々な介護サービスの助けを利用しながら、親の老後をしっかりとサポートしていく姿勢が重要です。何でもかんでも自分が直接引き受ける立場から、親の介護を俯瞰的に管理していく有能なプロジェクトマネージャーになるイメージをもってください。

家族一人ひとりの生き方や思いを大切にするために、あえてスマートな方法を選びましょう。新しい介護のスタイルを作り上げるプロジェクトを実行していく気持ちで、親のサポートを捉え直してみてはいかがでしょうか?