
「持病があるから海外旅行は無理」「年齢的に心配だから国内旅行だけ」そう諦めていませんか。
実際には、しっかりした準備と知識があれば、シニア世代でも安心して海外旅行を楽しむことができます。
そこでこの記事では、持病のある方をはじめシニア世代が海外旅行を安全に楽しむための医療面での準備方法を紹介します。
海外旅行前の医療準備が重要な理由

シニア世代の海外旅行では、若い世代とは異なり、持病や加齢による健康リスクに注意が必要です。
海外の医療費は高額のため、海外旅行保険に加入しておくことは大前提といえるでしょう。
しっかり準備をした場合の海外旅行満足度は高くなるため、準備をしっかりしたおかげで安心して旅行を楽しむことができます。つまり、事前に医療面についてどこまで準備できるかが、安全で楽しい海外旅行の鍵となります。
出発前の健康チェックと医師への相談

海外旅行を計画する際は、出発の1~2か月前にはかかりつけ医に相談しましょう。特に持病がある方は、旅行先の環境が健康状態に与える影響を確認することが重要です。
・健康状態を総合的に評価してもらう
かかりつけ医に現在の健康状態で海外旅行が可能かを評価してもらいましょう。心疾患、糖尿病、高血圧などの慢性疾患がある場合は、旅行先の気候や時差が与える影響についても相談が必要です。
・英文診断書の準備
持病がある場合は、英文の診断書を準備してもらいましょう。病名、服用中の薬、アレルギーの有無などを記載してもらうことで、万一のとき、海外の医療機関での診療がスムーズになります。
薬の管理と持参方法の3つのポイント

シニア世代にとって、海外旅行での薬の管理は、特に大きなポイントです。
ポイント1 十分な量の薬を準備する
旅行日数の1.5倍程度の薬を準備しましょう。フライトの遅延や予期しない滞在延長に備えられます。薬は手荷物と預け荷物に分けて持参し、片方が紛失してもカバーできるように、リスクを分散させることが重要です。
ポイント2 薬の英語名を確認する
服用中の薬の英語名(一般名)を確認し、リストを作成しましょう。海外で同じ薬が必要になった際や、医療機関を受診する際に役立ちます。
ポイント3 税関での申告に備える
大量の薬を持参する場合は、税関で質問される可能性があります。英文診断書や処方箋のコピーを準備し、治療目的であることを証明できるようにしておきましょう。
海外旅行保険選びの重要なポイント

海外旅行保険は、シニア世代をはじめ海外旅行にはぜひ用意しておきたいもののひとつです。
・治療費用の補償額を十分に確保
治療費用の補償額は、旅行先の医療費水準に応じて設定しましょう。アメリカやヨーロッパでは最低でも1000万円以上、できれば無制限の補償が安心です。
・キャッシュレス診療対応の確認
現地で立て替え払いをせずに済むキャッシュレス診療に対応した保険を選びましょう。高額な医療費の立て替えは大きな負担となるため、特にシニア世代には重要なサービスです。
現地での健康管理と緊急時対応

旅行先での健康管理は、事前の準備と現地での正しい行動が鍵を握ります。
・水と食事の安全性確保
食中毒を避けるため、飲料水は必ずペットボトルのものを使用し、氷の入った飲み物は避けましょう。生野菜や果物は十分に洗っているもの、または皮をむいて食べられるものを選びます。
・適度な休息と無理のないスケジュール
観光スケジュールは余裕を持って組み、午後には休憩時間を設けましょう。連日の外出は避け、ホテルでゆっくり過ごす日も計画に含めることをおすすめします。
・緊急時の連絡先と対応手順
保険会社の24時間緊急連絡先、最寄りの日本大使館・領事館の連絡先を常に携帯しましょう。スマートフォンには翻訳アプリをダウンロードしておくほか、基本的な医療用語を現地語で覚えておくと安心です。
持病別の特別な注意事項

持病がある方は、疾患に応じた準備をしておきましょう。
・糖尿病の方への対応
血糖測定器、インスリンなどの薬剤を必要量の1.5倍準備しましょう。時差による食事時間の変化に対応するため、主治医と服薬スケジュールを事前に調整することが重要です。
・心疾患の方への注意点
標高の高い場所への旅行では、事前に主治医と相談が必要です。ニトログリセリンなどの緊急薬は手荷物に入れ、常に携帯しましょう。
・高血圧の方の管理方法
携帯式の血圧測定器を持参し、毎日決まった時間に測定記録をつけましょう。外食が増える旅行先では、塩分の多い現地料理には注意が必要で、薄味を心がけることが大切です。
まとめ

シニア世代の海外旅行は、医療面での準備をしっかりしておくと、安全でより楽しいものになります。出発前の健康チェック、十分な薬の準備、海外旅行保険の加入はその基本です。
持病がある方でも、主治医との十分な相談と事前準備により、海外旅行を諦める必要はありません。人生100年時代において、海外旅行は貴重な経験と学びの機会となります。事前準備と健康管理により、年齢を理由に旅行を諦めることなく、健康面でも安全な海外旅行を満喫しましょう。