老人ホームを途中退去したい!
老人ホーム退去についての知識

老人ホームについて  | 

様々な理由で、子ども達と離れて老人ホームで暮らすことになる高齢者の皆様がいらっしゃいます。

老人ホームに入居する時、親族のかたに同行して頂いて、いくつかの選択肢の中で最も良さそうに思われてご入居されるかたがほとんどです。

みんなが「良い所だ」と言ってくれた終の住まい。でも、実際に暮らしてみて我慢の連続だったら?耐えるしか方法はないのでしょうか?

親族に悪い、不経済だ、と思って貴重な毎日を台無しにする必要はありません。いざとなったら、老人ホームを変えればいいだけです。ここでは老人ホームで退去したくなった場合のノウハウをご一緒に考えていきましょう。

悩みを打ち明けられる環境ですか?

老人ホームには、施設長、生活相談員、介護リーダー、看護師、ケアマネジャーなどの職員がいます。

その施設は悩みを打ち明けやすい環境ですか?

もしそうなら、迷わず相談しましょう。

施設ごとに異なりますが、基本的にどの職員も入居者の相談に乗ってくれるはずです。悩みが退去したいレベルなら、施設長やケアマネジャーに打ち明けるのがベストでしょう。

もしかしたら、自分の我慢している状況が、他の方にも当てはまり、施設側が今まさに対応している案件で、いずれ収束するかもしれません。悩みを抱えているのが自分だけではなく、ホッと胸をなでおろすことができるかもしれません。

大切なのは、その老人ホームが入居者の悩みをなくそうと、耳を傾け実行する場所であるかということです。それであれば、一過性の悩みで、施設自体は健全で良い所かもしれません。

一方、そういう体制でなく、話しかけにくい、話しても親身になってくれない、解決に向けて実行しない施設では耐えるしかなくなります。残念なことですが、その場合は退去を考えていいでしょう。

ただし、次の住まいが決まるまでは今の施設を解約しないでおく必要があります。

心身への負担を軽減して新しい住まい探しをする

合わない老人ホームに我慢しながら、経済的負担や親族への迷惑を考えて過ごす時間は辛いでしょう。ですが、ここは慌てず落ち着いて次の老人ホームを探すことが大切です。

また、老人ホームの途中退去を考えた時ストレスが一番かかるのは、入居一時金制度で入った場合です。入居90日間はクーリングオフでほぼ全額が返ってきますが、各施設の契約条件によっては、初期償却により返金額が多少減ってしまう場合もあります。

また、「2度目の入居は絶対失敗できない」と思うと、緊張してそれだけでも大きな精神的負担になります。最初の時いろいろ見て回ったにも関わらず、残念ながら合わなかったわけです。

もう一度、老人ホーム選びの優先順位を振り返り、退去前に見て回りましょう。

入居中に他の施設を探すことに気が引けるという場合は、ご親族に頼んでみたり、あるいは弊社のような紹介センターをぜひご利用ください。

エリアを少し変えてみれば、より希望に近い施設に巡り会えるかもしれません。

納めていた入居金は返ってくるの?

初期償却による返金額について実際の例として、入居後半年で退去する場合で考えてみましょう。

入居一時金とは、「家賃の前払い」と「終身利用できる権利の購入」の意味合いで、返還金を計算する時には、「初期償却金」と「償却期間」を用います。初期償却金は、入居後3か月を経過した時点で償却されます。

例えば・・・

●入居一時金:1,000万円
●初期償却金:20%(200万円)
●償却期間:5年(60ヶ月)
●実際の入居期間:6ヶ月

と仮定した場合の返還金額は

(入居一時金 – 初期償却金)÷(償却期間)×(償却期間 – 実際の入居期間)で、

(1,000万円 – 200万円)÷ 60ヶ月 ×(60ヶ月 – 6カ月)= 720万円

となります。

初期償却金は3ヶ月以内であれば、必要経費を差し引いて残金があれば返還されます。
なお、初期償却の割合や償却期間は、それぞれの老人ホームで異なりますので確認しておきましょう。

引っ越しが決まったら

老人ホームの中には、一時金無しで入居できるものもあります。設備や清潔さ、経営の健全さが感じられる所を、一緒に見学してくださるかたとしっかり確認しましょう。

施設から施設への引っ越しならば、荷物は軽トラック1台程度です。
業者に任せても、それほど高額な引っ越し負担にはなりません。

まとめ

老人ホームの中途退去について、そのノウハウを見てきました。悩みが深くて解決しないようなら、こちらで示した方法を順番に試してみられてはいかがでしょうか。

老人ホームのあり方も、外部機関から検閲されていますから、一定の水準は保たれています。必ず平穏な日々が来ますから希望を持って暮らしていきましょう。