老人ホームに10万円以下で入居したい。
このような問い合わせを非常に多くいただきます。それは当然のご相談だと思います。なぜなら令和2年度の年金の平均受給額は、国民年金が5万6252円で、厚生年金は14万4366円だからです。
そうなると10万円以内で施設を探そう思うのは当然のことだと思います。
この記事では、実際問題10万円で老人ホームに入居できるのかというご質問にお答えしたいと思います。
目次
老人ホーム費用の見えない部分
突然ですが、2019年10月からの消費税増税のタイミンングで、多くの民間の有料老人ホームが値上げしたことをご存じですか?
首都圏の老人ホーム事情であまり表に出てこなかった情報なので、ほとんどの方がご存知ないのではないでしょうか。
数年前までは総額15万円で収まるような施設もたくさんありましたが、今は要介護3くらいになると、総額15万円を超える施設がほとんどです(オムツ代の平均使用料、シーツ代などを含む)。
老人ホームの総額は個人差がありますので一概には言えませんが、多めに見積もることが入居費用を考える上では大切です。
インターネットで検索すると、10万円以下の施設もたくさんヒットしますが、それには介護保険の自己負担分や訪問診療の医療費は含まれておりません。
サービス付き高齢者向け住宅に関していえば、食費が費用に含まれない価格での表示が多いです。施設入居を希望するのですから、食事の提供を必要とする方がほとんどだと思うので、食費も勘定に入れなければなりません。
老人ホームは別途自己負担分が必要です
ほとんどの施設は
・介護保険自己負担分
・訪問診療自己負担分
・お薬代自己負担分
が月額利用料と切り離されています。
そして上記の3つの費用はほぼ間違いなくかかる費用です。
また、さらに別途費用としてよくある項目を挙げると、
・洗濯代
・オムツ代
・オムツ廃棄代
・水道光熱費
・シーツのレンタル代
・レクレーション費
・理美容費
・おやつ代
などです。施設によってさまざまな「別途費用」負担となるものが存在します。
介護保険の自己負担が1割で医療費の自己負担も1割の方でしたら、これらの別途費用の総額は5万円ほどかかると思っていただいて良いかと思います。
月額5万円の施設なら
別途費用合わせて全部で10万円になるが・・・
10万円で入居できる施設となると、毎月の利用料金が「食費+家賃+管理費=5万円」の施設を探さなければなりません。なぜなら、「別途5万円程度の費用」がかかるのですから。
普通に生活する場合でも、家賃と食費を合わせて5万円は難しいと思います。インターネットで調べても5万円の施設にはなかなか出会えないでしょう。
ただし、そのような施設が首都圏に全くないわけでありません(満室の場合が多いですが・・・)。
別途自己負担分を計算しやすい施設を選びましょう
低価格の施設を探す時に、私たちのような相談員(老人ホーム探しのプロ)が注意する点は、別途自己負担分の料金です。
1円でも安い施設を探したところで、別途自己負担分が7万円とか8万円とか上乗せされてしまったら意味がありません。入居前に完璧な見積もりを出すのは難しいですが総額がどれくらいになるのか確認は必須です。月額10万円の施設なのにいざ入居したら20万円かかってしまう場合もあります。
歯医者さんのインプラントの費用ではありませんが、「総額でいくらくらいかかるのか」が大切です。
結局10万円で入居できる施設は無いのか・・・
先ほども少し触れましたが、非常に少ないですが10万円で入れる施設はあります。12万円程度でしたら少し紹介の幅は広がります。
いずれにせよ、満室の場合がほとんどなので、余裕を持って入居までの段取りを進めたい施設です。
また、公的な施設なら10万円程度で入居が可能です。特別養護老人ホームや軽費老人ホームなどが該当します。ただし公的なホームもほとんどの施設は待機が必要です。
まとめ
現在、世界はインフレ局面にあります。日本は物価や賃金が上がらないと言われておりますが例外ではありません。一定の価格を据え置きしていた馴染みの食品も値上げに踏み切りましたし、都内の不動産価格や自動車の新車価格も数年前と比べて上昇しております。
老人ホームを利用したい高齢者は多いのだから、価格競争が働いて少し料金が下がってもいいのでは?と考える方もいらっしゃるでしょうが、老人ホームの料金も確実に値上がりしております。繰り返しになりますが、消費税増税のタイミンングで値上がりした施設が非常に多いのです。
「老人ホームの今の情報を知りたい」
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ご相談だけでもお話しをうかがいますので、ヨクラスのお住まい探しにご連絡お待ちしております。
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