老人ホームでの快適なお部屋作り
どんな家具を持ち込んでいるの?テレビは持ち込み?

介護について  | 

老人ホームに入居される方から、
「お部屋に何を持って行けば良いでしょうか」
とよく質問されます。

衣類などの生活必需品は見当がつきやすいと思います。

けれど、家具はどの様なものが良いのでしょうか。
部屋の広さはどのくらいなのでしょうか。

そもそも持ち込みたいものをなんでも持ち込めるのでしょうか。

老人ホームのお部屋の広さはどのくらい?

首都圏の一般的な有料老人ホームのお部屋のサイズは18㎡(約10畳)です。
トイレと洗面台がついたお部屋が多いので、これらを含めての広さです。

限られた空間にはなりますが、転倒予防や歩行が困難になった場合を考えると、高齢者にはぴったりなサイズ感だと気づきます。

ちなみに、一人暮らしの人が住む住居の専有面積は1Kで25㎡が平均だそうです。もちろんこれもお風呂、キッチンを含めたサイズです。
つまり、一般的な1Kのお部屋より少し小さい空間が、老人ホームの平均的なお部屋の広さです。

悩ましいのは、この限られた新しいお部屋に何を持っていくかです。
必要な持ち物(生活用品)についてはまた別の記事でご紹介いたしますが、今回は大きな家具や家電についてご説明したいと思います。

使い慣れた愛着のある家具を持って行きましょう!

まず大前提として、全てを新たに買いそろえるというよりも、使い慣れたものや愛着のある家具をお持ちいただくことが一番だと思います。

特に認知症の症状のある方は、新しい環境がストレスになってしまうことも多く、気持ちも不安定になりがちです。

可能な限り親しみのある家具に囲まれて、老人ホームでの生活を始められることが理想でしょう。

施設でのお部屋作りは車椅子の利用を想定しましょう!

普通のお部屋と老人ホームのお部屋の1番の違いは、車椅子の利用を想定した作りになっているかどうかです。

持ち込む家具は、車椅子が通れる程度のスペースを確保できるよう、サイズや数を抑えるようにしましょう。

車椅子の自走が可能な方は、見学の際にどのような導線になるか、特にトイレまでの同線をシミュレーションされると良いと思います。

それでは、個々の家具についてご説明します。

ベッド

まず、お部屋で必要な家具はベッドです。

介護付き有料老人ホームは、基本的に介護ベッドがお部屋に備え付けられています。

しかし、グループホームやサービス付き高齢者向け住宅では付いていない場合もありますので、ベッドは当然必要になります。

まだ介護が必要ないという方で一般のベッドを持ち込まれるケースもありますが、のちに介護ベッドとの入れ替えが必要になります。
最初から介護ベッドを使い、操作に慣れておくのも良いかもしれませんね。

テレビ(テレビ台)

テレビは大抵の方が持ち込まれます。サイズは28〜32インチが妥当かと思います。最近のテレビは薄く軽量化されてきており、大きいサイズに見慣れている方増えているので32インチを購入される方も多くいらっしゃいます。新規オープンの施設のモデルルームでは、ほぼ32型が設置されております。
セッティングはアンテナケーブルを差し込むだけなので、自宅の寝室などで使用しているテレビを、そのまま持ち込んでも構いません。

また、以下でも述べますが三段チェストをテレビ台代わりにする方がとても多いです。

もちろん、食堂やラウンジでもテレビをご覧になれますので、同じ入居者の方とお話しながらの視聴も出来ますよ。

ただ、チャンネルを選べませんので、やはり個室に自分用のテレビがあった方が気兼ねなく楽しめますね。音量を気にされる方も多いですが、大音量でもそれほど外部に漏れる心配はありません。

チェスト(1台〜2台)

ニトリ公式通販より

チェストは衣類などの生活用品を入れるために必要で、サイズは三段〜五段くらいのものがあると便利です。

三段のチェストと聞くと、女性は特に「引き出し三段に持ち込む洋服が収まるか不安・・・」と思われるでしょう。そこはお洒落な着回し術で乗り切りましょう!

また、チェストの上にテレビを乗せてテレビ台代わりに使用されている方もいらっしゃいます。重たいものを乗せても大丈夫な、木製か頑丈なプラスチック製のものが良いでしょう。テレビの転倒リスクを考えるなら、高さは60cmくらいまでが良いですね。

18㎡のお部屋を圧迫しないサイズは、幅80㎝〜120㎝、高さ60㎝〜90㎝、奥行き40cm〜45cmくらいが良いと思います。

ニトリで購入される方も多いので、一応リンクを貼っておきます。

https://www.nitori-net.jp/ec/product/0541093s/

テーブル(机)と椅子

テーブルについては、持ち込まれない方のほうが多いようです。備え付けで最初から付いている施設もありますが、それほど必要性はないかと思います。また、自立度の高い方は、ゆったり座れる椅子が必要です。ベッドに座るから大丈夫という方もいらっしゃいますが、背もたれのある椅子を持ち込まれるのが良いと思います。それに合わせたサイドテーブルはあると便利です。

ちなみにテーブル(机)を壁に付けるレイアウトの場合、奥行き50cmくらいまでが良いと思います(18㎡のお部屋での場合)あまり奥行きがあると、お部屋を圧迫してしまいます。ビジネスホテルをイメージしていただくと良いかもしれません。実際に施設の備え付けのものはこれくらいのサイズが多いようです。

仏壇

仏壇を持ち込まれる方もいらっしゃいます。ろうそくやお線香は管理が行き届かないと危険ですので、実際の火を使わないタイプをご利用いただきます。

最近はコンパクトでシンプルな仏壇も多くあるようです。ご参考にどうぞ

 https://manaka-store.com

冷蔵庫や電子レンジ

冷蔵庫や電子レンジが自分の部屋にあれば、牛乳を買っておいて、寝しなにホットミルクでも・・・なんてことも出来そうですね。

冷蔵庫は、施設によって持ち込みが可能な施設と持ち込み不可の施設に分かれます。ご自身で冷蔵庫の中身を管理できるかどうかも判断基準になります。持ち込みが可能な場合、150リットルまでのサイズが良いと思います。1ドアなら45リットルタイプのものが多いですが、床に直置きで取り出す時に体勢が辛くならないかご確認ください。このような1ドアタイプの場合は机の上に冷蔵庫を乗せるという方法で、取り出しやすくなります。

電子レンジは、持ち込み不可の施設が多いようです。持ち込み可能な場合は、冷蔵庫と同じくご自身で管理できるかどうかが判断基準になります。

ウォシュレット

施設によってはウォシュレットが付いていない施設もあります。事前に確認して、付いていないならば、後付け可能か確認が必要です。大抵の施設は退去時に元に戻す条件なら問題ないと思います。

まとめ

私が今まで入居のお手伝いをさせて頂いた中で、部屋にそろえる家具の王道パターンは

●『チェスト』
 → 家具店で購入し家具店から組み立てたものを送ってもらう

●『テレビ』
 → 自宅のものを持っていく

●『ベッド』
 → 基本的に備え付けのものを使用し
   備え付けられていない場合は持ち込む

の3つです。

そして必要に応じてプラスされるのが、椅子・テーブルといったところです。

冷蔵庫を持ち込まれる方はそれほど多くありませんし、中身の管理ができない場合は持ち込むのが難しいです。

最後に、私個人的には『ラジオ』をお勧めします。

今までテレビしか楽しまれてこなかった方にも、耳で聞くラジオの面白さを新しく経験することで、目に負担のかからない楽しみを知っていただけるのではと思っています。最近はスマートフォンでも聴けるradikoなども便利です。

新しお部屋での生活は新鮮で心機一転できる良い機会です。一度に揃える必要はありませんので、少しずつ用意しましょう。