「シニアの腸活」
腸内細菌の役割を知り善玉菌を増やそう!
~ヨーグルト編~

美と健康  | 

人も50年60年と年月を重ねると体のあちらこちらにガタが来ますよね。
腸もその一つで年の分だけたくさんの食物を詰め込んだおかげで、思い通りに働いてはくれなくなってきます。

そのためか、便秘になったり下痢を繰り返したりと腸の活動が悪くなってしまっているシニアが多くいるようです。

人の顏がそれぞれ違うように腸もまた人によって様々な特徴があります。そこでこの記事では、シニアの腸活として腸内細菌の役割と善玉菌を増やすための正しいヨーグルトの食べ方をお伝えしています。

腸内細菌の役割

腸というのは、皆さんもご存知のように消化器の一つで、小腸と大腸に大きく分けられます。

小腸は主に栄養素を取り込み最終的には消化や吸収、免疫の働きを担い、大腸は主に腸内細菌と共存共栄しながら便を作り排泄するという大切な働きを担っています。

そして、身体全体の約70%の免疫細胞が腸に集まっていると言われています。そこで注目したいのが腸内細菌の役割です。

腸内細菌とは

腸内細菌は次のように大きく3つの種類に分けられます。

1.善玉菌
➡有用菌とも言われ悪玉菌の侵入や増殖の防いでくれます。免疫力の向上や腸の蠕動運動も促進。また、ビタミンなどの合成をし、消化の吸収を助ける役割もあります。
代表的な細菌:ビフィズス菌・乳酸菌

2.悪玉菌
➡有害菌とも言われ腸内の腐敗を促進します。毒素やガス、発がん物質を産生、免疫力も低下させます。
代表的な細菌:ウェルシュ菌・大腸菌・ブドウ球菌

3.日和見菌(ひよりみきん)
➡善玉菌と悪玉菌で優勢なほうの菌に傾きます。
代表的な細菌:バクテロイデス・ユウバクテリウム・嫌気性レンサ球菌

このように善玉菌とは健康維持、老化防止などに有利ですが、悪玉菌は反対に健康を阻害し、病気の引き金、老化の促進などの働きがあります。

ところが、善玉菌であっても腸内環境によっては害をもたらす菌もあり、悪玉菌であっても食物繊維の分解、感染症の防御をする菌もあるのです。

また、健康な人の腸内細菌のバランスは善玉菌が約20%、悪玉菌が約10%、日和見菌が約70%だとされています。

ヨーグルトの正しい食べ方

腸活のためにヨーグルトを毎日食べている方も多いことと思います。

しかし、せっかく摂取しているにも関わらず腸活が上手くいかないという方もおられるのではないでしょうか。ここでは、ヨーグルトの正しい食べ方をお伝えしています。

自分のお腹にあったヨーグルトを見つける

まずは1~2週間毎日同じヨーグルトを200~300gくらい食べ続けてみてください。

そして、排便の有無や便の状態、体調の変化をチェックし、今食べているヨーグルトが自分に合うか合わないかを確かめてみることをおすすめします。

今や、スーパーマーケットにはあらゆる種類のヨーグルトが売られていて、どれにしたら良いのか悩んでしまいますよね。つい、どれでも同じだろうと思い安売りしているヨーグルトを選んでいませんか?

ヨーグルトをよく見てみると製品によって乳酸菌やビフィズス菌の種類が異なります。また、菌の機能も違うのでどのヨーグルトからでも同じ効果を得られるとは限らないのです。

ヨーグルトのコマーシャル等で「プロバイオティクス」という言葉を聞いたことがあると思いますが、プロバイオティクスとは生きたまま腸に届き体に良い働きをする微生物やそれを含む食品を言います。

つまり、ヨーグルトもプロバイオティクスに含まれるということですね。しかし、完全なプロバイオティクスというのは消化液の中でも生き抜ける菌、酵素に強い菌など優等生の菌のみです。

プロバイオティクスの働きは花粉症の予防・改善、免疫力の強化、アレルギー疾患の抑制、血中コレステロールの低下、抗がん作用、血圧降下、内臓脂肪の減少などの多数の効果が期待できます。

つまり、自分のニーズに合わせて選択し、どのヨーグルトが自分のお腹に合うのかを見つけることが大切になります。

また、乳酸菌やビフィズス菌は胃酸に弱くお腹が空いている状態で食べると胃酸に負けてしまいます。できるだけ食事中か食後に食べるようにしましょう。(尚、プロバイオティクスは他にも、チーズ、漬物、納豆、乳酸菌飲料などがあります)

自分が食べているヨーグルトの効果はこちらを参考にしてくださいね▼

ヨーグルトの正しい選び方はこちらから

プレバイオティクスも一緒に

更に、プロバイオティクスの効果を高めたい方におすすめの方法がプレバイオティクスの摂取です。体内で善玉菌を増やすために腸という畑を耕してくれる働きがプレバイオティクスの摂取になります。

つまり、ヨーグルトなどを食べる際はプレバイオティクスの食物繊維(キノコ類、豆類、野菜類、玄米など)やオリゴ糖(玉ねぎ、アスパラガス、バナナなど)を一緒に食べるとさらに腸内細菌のパワーが発揮されるのです。

善玉菌、乳酸菌とビフィズス菌の違い

乳酸菌とは、ある1種類の菌をあらわすのではなく、糖分を分解、発酵して主に乳酸を作り出す細菌の総称になります。そして、ビフィズス菌は糖質から主に乳酸と酢酸を作り出します。

また、これらの細菌は生育環境にも違いがあり、乳酸菌の場合は酸素の有無関係なく生息しますが、ビフィズス菌の場合は酸素があると生きてはいけません。

つまり、乳酸菌は主に小腸に住み、ビフィズス菌は主に大腸に住んでいるとされています。また、ビフィズス菌は乳酸菌の100倍から1000倍は住みついていると言うのですから驚いてしまいますね。

高齢になると悪玉菌が増加?

腸内細菌のバランスは年齢によって変化しますが、ほとんどの場合、離乳時にその人が持つ腸内細菌の種類が決まるようです。

高齢と言われる年代になると※腸内フローラも人それぞれで菌の顔ぶれが異なってきます。そして、加齢と共に腸を支えていた筋肉量が減少して腸の蠕動運動も緩やかになるため食べ物の残りかすが腸内に長くとどまりやすくなってしまうのです。

すると、善玉菌のビフィズス菌が少なくなり悪玉菌の大腸菌やウェルシュ菌が増加する傾向が強くなってきます。

また、近年では「高齢者こそ肉を食べるべき」と推奨されていますが、動物性タンパク質を過剰に摂取すると悪玉菌を優勢にしてしまいます。

タンパク質の成分ミオシンが悪玉菌の餌となり腐敗を促してしまうため腸内細菌のバランスを乱す要因になってしまうのです。

※腸内フローラ(腸内細菌叢)

まとめ

ここでは、シニアの方のスムーズな腸活のために次のことをお伝えしてきました。

・腸内細菌の役割(善玉菌・悪玉菌・日和見菌)
・ヨーグルトの正しい食べ方
・善玉菌、乳酸菌とビフィズス菌の違い
・高齢になると悪玉菌が増加?

腸活の方法は他にもありますが、まずは自分の腸内環境を知ることから始めてみませんか?

いくつになっても若々しい腸内を保つためには日頃の生活習慣を見直しバランスの良い食習慣、適度な運動、質の良い睡眠を心がけていただきたいと思います。

そして誰よりも健康的な腸活腸寿を目指していきましょう!